先ず今般の未曾有ともいえる新型コロナウイルス感染症により医療従事者の皆様には大変なご苦労をされていることと存じます。身の危険を顧みず地域医療を支えておられる皆様には感謝の念がたえません。
新型コロナウイルスの終息にはまだ時間がかかると存じます。医師や看護師の皆様を始め医療従事者の皆様の疲弊も計り知れないと存じますが、くれぐれもお身体ご自愛ください。我々一般人も予防対策を怠らず、一刻も早く収束させるよう努力したいと存じます。
さて、新型コロナウイルスのお陰で、あまりにも身近なものになってしまった菌やウイルスの存在ですが、やはりどうやって制御するかがポイントの様です。マスクやフェイスシールド、透明アクリル板やビニールカーテンのように物理的に制御するもの。アルコール消毒液や殺菌剤など薬品によるもの。あとは人に会わないようにするとか、会食を無くすとか、電車通勤をやめて自家用車通勤や自転車通勤、在宅勤務にするとかで習慣自体を変えるもの。3密(密閉、密集、密接)を避け、ソーシャルディンスタンスを保つ。こんな言葉が新語として生まれました。
こんな危機的状況下で、我々が何か役に立つことをできないか??
以下は塗料報知で特集された記事です。
新型コロナウイルス禍の社会情勢をふまえ、一部の抗菌・抗ウイルス製品の売れ行きが大きく増えており、また、ボランティア塗装の一環で福祉施設への抗菌塗装が行われてもいる。これらの背景には、多くの人々が公衆衛生に強い関心を持ち始めているという事情があるだろう。各家庭での手洗い・うがい習慣の広がりがそれを裏付けている。そこで、各社の代表的な抗菌・抗ウイルス製品を一堂に集めた。
詳細については下記のリンクをご参照ください。
https://www.e-toryo.co.jp/report/virus/
さて、各社の塗料等を見ていくと、抗菌性は表現されているが、抗ウイルスを表現している材料が少ないことが分かります。確かに、大腸菌などを殺菌・除菌する目的で様々なものに記載があったりしますが、ウイルスを除去しますとか表現しているのはあまり目にしたことはありません。当然、新型コロナウイルスで実験ができるはずもなく、抗ウイルスについては代替実験やその機能・機構等からの想定になります。また、ワクチンや薬が容易にできないのもウイルスの取り扱いが難しいのだからだと思います。
ちなみに2019年12月に、
抗ウイルスSIAAマークが運用開始されました。
まるで新型コロナウイルスが猛威を振るうことが分かってたようなタイミングですよね。これからこんなマークを目にすることが増えていくような気がします。
SDGsの169のターゲットのうちで伝染病を扱うターゲット3.3では「2030年までに、エイズ、結核、マラリア及び顧みられない熱帯病と言った伝染病を根絶するとともに肝炎、水系感染症及びその他の感染症に対処する」とあります。
日本では戦後、塩素消毒された水道水の普及とともに、こうした疾病の患者が激減したことから、私たちはこうした病気の深刻さをなかなか理解できない。ましてや、新型コロナウイルスから抱く感染症のイメージとはかなり遠いものと感じます。
このほか、ターゲット3.bでは冒頭に「主に開発途上国に影響を及ぼす感染性及び非感染性疾患のワクチン及び医薬品の研究開発を支援する」とあります。先進国では克服しているが開発途上国ではまだ解決されていないような病気を、主に想定していたからこのようなターゲットになったと思います。
現実的には今回のコロナウイルス(同様の表現)については記載なく、日本を含む先進国も例外であったが、大きく解釈すればこれらのターゲットに含まれるものであり、我々は今回のことであらためてウイルスの脅威を知ったわけです。