といっても当社が開発したわけではありません。そう、あのトヨタ自動車さんと、トヨタさんと関係のある装置メーカーさんが一緒に開発されたもの、だと風の噂で聞いております。
塗着効率は従来型の 60%~70%程度から、世界最高の 95%以上に向上!!
いやー、すごいですね。60%~70%でもとことん改善された結果であって、普通の塗装ラインでは出せないような塗着効率ですが、それよりもはるかに高い95%とな!?もはや塗装機もインクジェットプリンターの次元に入ってきましたね!
塗着効率を高めることで環境対策や塗料使用量(コスト)の削減など嬉しいことがいっぱいあります。そのため、環境省でも「すぐにできるVOC対策」の中で下記のように塗着効率の向上を推奨しております。
さて、一体どんな機構でこんなに高い塗着効率を実現しているのでしょう??トヨタ自動車様の記述によりますと、以下のような説明が書かれています。
「新型のエアレス塗装機は、電気で塗料を微粒化(静電微粒化)するとともに、静電気を帯びた粒子が車体に引き寄せられるように塗着(静電塗装)します。静電微粒化および静電塗装の技術により、微粒化された粒子の飛び散る量が大幅に減少し、高い塗着効率を達成しています」
おや?っと思った方はきっと塗装に詳しい方でしょう。そう、この新型塗装機はエアーを使用していないのです。自動車のベースコートやトップコートでは、ベル型(回転霧化式)のエアガンや、低圧霧化型のエアスプレーガンが使用されてきました。下記の図で機構の差を説明してありました。
なんとなく、理解できたようなできないような・・・。と思いますので、しっかり勉強されたい方は下記よりPDF資料をダウンロードして読んでみてください。
「SDGsに本気で取り組む!」
と、2020年3月期決算発表の場で豊田章男社長が明言されたように、環境に対してとことん意識の高いトヨタ自動車様が実際にやっている「塗装の環境対策」に関するご紹介でした。
とはいってもまだまだ技術課題はあるようで、例えばメタリック塗料などは塗装できずソリッド色に限定されるとか、装置のコストとか・・・。
資料➡トヨタ自動車_新型ベル_20200312
しかしこんな塗装機を皆さんに使われてしまったら塗料メーカーさんとして売るものがどんどんなくなってしまいますよね。でも、塗料メーカーさんも色々考えていますのでご心配なく!?
例えばプリウスのボディに採用されている「サーモテクトライムグリーン6W7」。熱を反射するという機能を持った「遮熱塗料」や、少々の傷なら勝手に治って元通りにしてしまう「自己修復塗料」、電気自動車が増えていく中でどうしても電磁波などのノイズが問題になりますがその電磁波を遮る「電磁波シールド塗料」、今までよりはるかに深みを持った色相を出す「高意匠性塗料」など、新しい機能やデザインを持った塗料がどんどん開発されています。